序章
•本製品をご使用になる際は、まず本マニュアル全体を熟読されることを強くお勧めいたします。本マニュアルには、安全性、セットアップ方法、使用方法、トラブルシューティング、基本メンテナンスについての重要な情報が記載されています。
•個人および製品の安全を確保するために、本マニュアルの安全上の注意に従ってください。また、本マニュアルに従って操作を実行する必要があります。
•本製品に品質上の問題がある場合は、当社までご連絡ください。自己組立・分解・修理により製品の破損や人身事故が発生した場合、当社は一切責任を負いません。
•本マニュアルの各項目に従わず、機器が損傷した場合、保証は適用されません。また、ユーザーが本マニュアルの各項目に従わず、事故が発生した場合、当社は一切の責任を負いません。
•ソフトウェアまたはハードウェアの更新によって、仕様の内容が更新される場合があります。更新されたすべてのコンテンツは、事前の通知なしに新しいバージョンに更新されます。
•本マニュアルの内容はすべて著作権法によって保護されており、組織や担当者は、当社の許可なしに、いかなる方法や種類を使用しても、データベースや検索システムをコピー、保存することはできません。
•本マニュアルの説明以外にご不明な点がございましたら、お問い合わせください。
コンテンツ
LW-Small Oneの取り扱いについて、6つの章/セクションに分割し、レーザーの安全性、製品の概要、製品のインストールと使用方法、一般的なトラブルの分析とトラブルシューティング、製品の保守について説明します。
1 レーザーの安全上の注意
1.1レーザ安全規格とクラス分類について
レーザー製品の誤使用や誤操作は、失明や火傷など重大な健康被害を引き起こす可能性があります。したがって、レーザー製品の危険性を熟知し、正しく安全に取り扱うための知識が不可欠です。レーザ製品に対しては、使用者への傷害を防止するための安全規格が設けられています。「IEC 60825-1」はレーザ製品に関する国際規格であり、IEC加盟国共通の安全基準となっています。日本では「JIS C 6802」が規定されています。これは、IEC 60825-1を日本産業規格が翻訳したものであり、この規格に準拠していれば世界に共通の安全基準を満たしているといえます。
レーザ製品の安全基準
Class1 | 直接ビーム内観察を長時間行っても、またそのとき、観察用光学器具(ルーペ又は双眼鏡)を用いても安全であるレーザー製品。 |
Class1M | 裸眼では安全なレーザー製品。光学器具を用いると条件により目の障害が出る可能性がある。 |
Class2 | 400nm~700nmの波長範囲の可視光を放出するレーザー製品であって、瞬間的な被ばくのときは安全であるが、意図的にビーム内を凝視すると危険なレーザー製品。光学器具を用いても目に障害が生じるリスクは増加しない。 |
Class2M | 可視のレーザービームを出射するレーザー製品であって、(光学器具を用いない)裸眼に対してだけ短時間の被ばくが安全なレーザー製品。光学器具(ルーペ又は双眼鏡)を用いて観察すると、露光による目の障害が生じる可能性がある。 |
Class3R | 直接のビーム内観察を行うと、目に障害が生じる可能性があるが、そのリスクが比較的小さいレーザー製品。目に障害が生じるリスクは露光時間とともに増大し、また意図的に目に露光することは危険である。 |
Class3B | 目へのビーム内露光が生じると、偶然による短時間の露光でも、通常危険なレーザ製品。拡散反射光の観察は通常安全である。 |
Class4 | ビーム内の観察および皮膚への露光は危険。また拡散反射の観察も危険となる可能性があるレーザー製品。これらのレーザーには、火災の危険性が伴う。 |
1.1.2 LW-Small Oneの安全基準レベルと警告ラベル
IEC 60825-1の分類では、LW-Small Oneの波長は1064nmであり、出力ヘッドから放射されるレーザー出力は20Wを超えており、これはクラス4レーザー製品に該当します。 レーザー光は不可視光で、これらのレーザーに直接または間接的に被ばくすると失明や火傷など重大な健康被害が生じます。 したがって、 レーザーマーキングを行う際は、適切で認定されたレーザー保護メガネを着用する必要があります。 また、LW-Small Oneには、ユーザーがレーザーの焦点を調整し、プレビューのための1mW未満の出力と約650nmの波長の赤色光ビーム(レッドポインター)が含まれています。レーザーレベルはクラス3Rです。
警告ラベル
LW-Small Oneには、本体の各所に警告ラベルが貼っています。取り扱い上の注意を喚起するための、これらの警告ラベルを決して剥がさないでください。
1.2 その他の安全項目
本製品の使用上のリスクを減らすために、未成年者の近くでこの製品を使用しないでください。使用を回避できない場合は、厳重に注意深く監視する必要があります。 製品を使用しないときは、レンズ保護カバーをとりつけてください。レンズがほこりで汚染されないようにしてください。薄暗い場所や暗い場所での使用はご遠慮ください。製品の分解を行わないでください。分解によって感電や火災などの不確実な危険が生じる可能性があります。警告ラベルを剥がしたり製品の分解を行った場合は一切の保証が消失します。
2 製品の概要
2.1 製品の特徴と用途
LW-Small Oneは、小型でコンパクトな、ポータブルで持ち運びが可能なファイバーレーザーマーキングマシンです。 また家庭用電源で使用することが出来ます。ファイバーレーザーによるマーキング可能な材料には、一般的な金属と合金(鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛などのすべての金属)、希少金属と合金(金、銀、チタン)、金属酸化(さまざまな金属酸化はすべてOK)、 特殊表面ハンドル(リン酸化、アルミニウム陽極酸化および電気めっき表面)、ABS材料(電気機器シェル、商品)、オイルインク(光透過キー、印刷製品)、エポキシ樹脂(電気要素のシールおよび絶縁層)などがあります。
2.2 動作原理
レーザーマーキングマシンは、波長1064nmのレーザービームを光回路内の2つのガルボスキャナーの反射ミラーに光線を照射します。ガルボスキャナーはコンピューター制御下でクイックスイングを生成し、X軸とY軸の2つのミラーを使ってレーザービームをスキャンし、集光レンズ(fθレンズ)を介して、微細で高エネルギー密度の光スポットを形成し、物体表面に瞬間的にエッチングを行います。 このプロセスをコンピューター制御で継続し、テキストや図柄を材料の表面に形成します。
2.3 製品の構造
- レーザーパス昇降ノブ:時計回りに回すとレーザーパスが下降、反時計回りで上昇します。フォーカス合わせに使用します。
- リピートワークボタン:ハンドヘルドで使用する際のマーキングの開始ボタンとして使用できます。
- レーザーリフト
- フォーカスインジケーター(レッドポインター)
- fθレンズ
- デチャッタブルプレート:取り外し可能なベースカバー
- 遮光カバー:取り外し可能です。ハンドヘルドで使用する際のフォーカスガイドとして使用できます。
- 主電源 ON/OFFボタン
- USBポート:USBケーブルを使用してコンピューターと接続します。
- 電源プラグ:電源アダプターを接続します。
- ハンドル
- レーザーユニット
- 台座
2.4 製品仕様
モデル名 | LW-Small One |
マシンタイプ | クラス4 レーザー |
レーザー出力 | 20W ファイバーレーザー(波長1064nm) |
スキャン速度 | <12000mm/s |
彫刻精度 | ≤0.01mm |
加工サイズ | 70*70mm |
加工可能な材料の厚み | <55mm ※ハンドヘルドで使用時は制限なし |
インターフェース | USB |
OS | Windows |
コントロールソフト | SeaCAD |
電源 | 入力: 100-240V AC、50/60Hz; 出力: 12V 8A |
重さ | 5.89kg |
サイズ(L x W x H) | 320 * 200 * 255mm |
認証 | CE FCC RoHS FDA PSE |
3 製品の組み立てとインストール
3.1 開梱および設置環境
3.1.1 開梱と検査
開梱前にパッケージの損傷を確認してください。深刻な損傷がある場合は、当社にご連絡ください。
3.1.2 設置環境
- 湿度要件:40%~80%、結露なし
- 環境温度要件:10~35℃の間
- 作業環境の要件:作業環境に粉塵、油霧、腐食ガスがないこと
- 外部供給電力要件:100-240V
- 屋内環境で本製品を使用した場合は、無線妨害を引き起こす可能性があります。この問題が発生した場合は、使用者による適切な処置が必要となります。
- 製品設置プラットフォームの振動は5μm未満、振動加速度は0.05g未満である必要があります。
【注意】本製品は以下の環境下で使用しないでください。
- 結露しやすい場所
- 化学薬品に触れやすい場所
- ゴミ、ほこり、油霧が多い場所
- CO2、NOx、SOxの濃度が高い環境
3.2 インストール
3.2.1 製品の組み立て
台座とリフトを固定後、レーザーユニットをリフトに取り付けます。
リフトのブラケットに付いている4本のガイドピンとレーザーユニットのガイド穴を使用して位置を合わせます。
ネジを締めた後、USBケーブルと電源コードを接続してください。
この時点では、まだパソコンと接続を行わないでください。
3.2.2 ソフトウェアのインストール
USBメディアに含まれているすべてのフォルダ、ファイルを使用するパソコンの任意のフォルダーにコピーしてください。
Driverフォルダの中にある【CypressDriverInstall.exe】を実行してください。
ユーザーアカウント制御の画面が開いたら【はい】をクリックしてください。
次の画面で、【Next>】をクリックしてください。
次の画面で、【I Agree】をクリックしてください。
次の画面で、【Install】をクリックしてください。インストールが始まります。
インストール完了の画面が出たら【Finish】をクリックして。画面を閉じてください。
マーキングマシンの電源をONにして、USBケーブルをパソコンのUSBポートに繋いでください。
繋いだ後、パソコンのデバイスマネージャーを開いてデバイスマネージャー上に【Cypress FX2LP Sample Device】が表示されていれば、デバイスドライバーが正常にインストールされています。 デバイスマネージャーを閉じてください。
レンズカバーを取り外してください。(被せてあるだけです)
次に、マーキングマシンのソフトウェアを起動します。任意のフォルダーにコピーされたLW-Small Oneプログラム(Seacad.exe)を実行してください。
ユーザーアカウント制御の画面が現れたら、【はい】をクリックしてください。
インターフェイスが英語になっていますので、日本語をご希望の方は、ファイルメニューの【System Config】を開いてください。
ツリーメニューのLanguageをクリックし、ドロップダウンリストから【日本語】を選択し、OKをクリックして画面を閉じてください。
SeaCADを再起動してください。インターフェイスが日本語に変わります。
これでセットアップは完了です。
実際のマーキング手順については、SeaCADの基本的な使い方とレーザーマーキングの手順 をご覧ください。
トラブルシューティング
トラブルが疑われる場合は、下記をお試しください。問題が解決しない場合は、当社までご連絡ください。
内容 | 考えられる原因 | 対処 |
電源をONにしても起動しない |
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マーキングできない |
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SeaCADがデモモードで起動してしまう |
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レーザーが出ない |
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マーキングが歪む |
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製品の保守
- 本製品が動作しているときにこの製品を移動しないでください。
- 本製品の上に他の物の乗せないでください。
- 排気口を塞がないでください。排気口の付近に物を置かないでください。
- 作業中は電源を切り、レンズ保護カバーを装着してください。
- 機器の周囲に液体を置かないようにしてください。液体は電気ショートを誘発します。
製品のメンテナンス
- 電源ケーブルとUSBケーブルをチェックし、しっかりと接続されていることを確認してください。
- 本製品の電源ボタン、非常停止ボタンが正常に使用できるか確認してください。
- レンズクリーナーを使用して集光レンズの汚れを落してください。